- 矯正歯科治療中、生活の面で注意することはありますか?
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特別な注意点ではありませんが、しいて挙げるなら
以下のことに気をつけるといいでしょう。- ■ スポーツ…矯正装置をつけている間は、ボディコンタクトのあるスポーツ(ラグビー・柔道など)は避けた方が安全です。どうしても行う場合は、歯をガードするために、装置のついた歯をおおうようなプラスチック製のカバーが必要になるでしょう。
- ■ 音楽演奏…くちびるを使う管楽器の演奏は、装置をつけてすぐの頃は思うような音を出しにくい場合もあるようですが、時間が経過すれば練習とともに出せるようになってきます。比較的支障が少ないのはフルートのような木管楽器やマウスピースの大きい金管楽器。 一方、トランペットやホルンのようなマウスピースの小さい金管楽器は、くちびるを楽器に押し当てて演奏するため、くちびるの粘膜に痛みが出たり、高音をだしにくくなったりします。また、サックスやクラリネットのような縦笛系統の楽器の場合は、指しゃぶりとおなじような力を歯に与えるため、出っ歯や開咬になりやすく、治療中の動きを妨げることもあります。 特に、元々の不正咬合が出っ歯や開咬の患者さんには好ましくないといえるでしょう。
- ■ 発 音…歯の表側につける矯正装置の場合は、発音にあまり影響は出ません。しかし、歯の裏側に装置をつけた場合は、当初、舌を歯の裏側につけて出す「サ行」や「タ行」、特に英語では「th」の音が出しにくくなります。これはほとんどのケースで1〜2ヵ月も経てば慣れてきて、普通の発音ができるようになります。
- ■ 食 事…装置をつけた当初は、柔らかめのものを中心に、食べ物を小さく切ってゆっくりと食べましょう。
装置に慣れて歯の痛みがなくなれば、ほとんどのメニューはOKです。
あえて避けた方が無難なものを挙げるとすると、粘着性の高いガムやキャラメル、餅、硬いおせんべい、氷、噛み切りにくいスルメ、硬いフランスパンなど。ただし、これらも患者さんの中には「問題なく普通に食べている」という方もいらっしゃるので、個人差があります。
また、ブラケットとワイヤーをとめる役目をしているモジュールは、食べものによって着色してしまいます。
特に透明のモジュールを用いる場合には、カレーなどの色の濃い食べものは通院の前日(通院の際、モジュールを取替えるため)に食べるという方も。ただし、あまり気にしすぎると食事がたのしくなくなってしまうので、ほどほどに。
- モジュールに着色しやすいもの
カレー類(ドライカレー、ハヤシライス、ケチャップライス)/トマトソース、デミグラスソース系の煮込み料理/赤ワイン - 歯に着色しやすいもの
コーヒー、紅茶(飲んだ後、すぐにうがいや歯磨きをするとかなり防げます。)
日本臨床矯正歯科医会 発行:Hello!Smile『今からはじめるおとなの矯正歯科治療』参照
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